意外と困ること多くない?真夏のオール電化ってどうなの?っていう話
オール電化住宅……IHクッキングヒーターやエコキュートなどを使って調理・給湯・冷暖房などに使用するエネルギーを、すべて電気でまかなう住宅のことです。
電気代が高騰している昨今ですが、新築でおうちを建てるならオール電化住宅で……と指定される方は一定数おられます。
ただ、もともとLPガスを使ってらっしゃった方で、リフォームなどを機にオール電化に変更された方の中には、オール電化の設備の老朽化による更新のタイミングで、
「やっぱりLPガスにしたい(戻したい)!」
とおっしゃる方がおられるのも事実なんです。
登場してからかれこれ20~30年ほど経過するオール電化住宅ですが、
- 真夏のオール電化ってどうなのか?
- 真夏にオール電化でいいのか?
ということについて、15年に渡ってLPガス会社のコールセンターに勤務してきた私が、実際に私の勤務先に寄せられたお客様のご意見も織り交ぜながら、お話してみたいと思います。
「オール電化はちょっと……」という方のご意見
オール電化住宅のメリットといえば、
- 夜間の電気代が安いため、トータルの光熱費が安くなる。
- 貯湯タンクがあるので、いざというときに安心。
という、代表的な2つのメリットがありますが、これまでオール電化住宅に住み続けてきたにもかかわらず、LPガスに切り替えたいとおっしゃる方は、特に真夏、この2つのメリットに対して厳しい意見をお持ちでした。
それはつまり、昼間の電気代が高いということ
夜の電気代が安いということは、逆にいえば昼の電気代が高いということです。これは真夏の昼間、冷房の使用で電気の使用量が大きくなりがちな以下のような方にとっては、オール電化住宅の強みが弱みになってしまいます。
- 育児中で小さい子供が自宅にいるので、昼間の冷房が欠かせない。
- 室内でペットを飼っている方ので、適切な温度管理のため空調が欠かせない。
おうちを購入・リフォームするときは、オール電化住宅にしてよかったと思えても、ライフスタイルの変化や家族構成の変化で、メリットやデメリットが逆転してしまう……オール電化のような料金プランは、後々になって思ってもみなかった弊害を招くことがあります。
このような場合では、LPガスを併用(ウィズガス住宅)することで、昼間の電気代を抑えることができます。
非常用に貯湯が使えても、日常的には不十分なことも
オール電化だと、災害時に水道が寸断されても、貯めてあるお湯を非常用に使えるので安心だとおっしゃられる方がおられます。
確かにオール電化住宅では、安い夜間の電力を最大限に使用するため、沸かしたお湯を貯めておくための貯湯タンクが設置されていますので、そのお湯を非常用として使用することは可能です。しかし、非常用に使用する水の量としては、少々心もとない気がします。
貯湯タンクの大きさは様々用意されていますので、余裕のある貯湯タンクを設置できる場合はよいのですが、貯湯タンクの置き場所として十分なスペースがない場合や、予算的に大きな貯湯タンクを設置できなかった場合は、足し湯やシャワーで余分にお湯を使っただけで、お湯が不足してしまうことがあります。
お盆の帰省などで親戚が遊びに来たときなど、いつもより大勢でお風呂などでお湯を使うと、すぐに貯湯タンクが空になってしまい困ってしまうということも往々にして起こります。
オール電化住宅の給湯方式の弱点は、水を即座に沸かしてお風呂やシャワーに供給することができないということ……つまり湯を沸かすのに時間がかかるというのが最大の弱点です。
その点、LPガスの給湯器は、まさにお湯が欲しいタイミングでお湯を沸かして供給する仕組み。LPガスの給湯器は、欲しいとき、欲しいだけお湯を作ることができます。例えば、夏に考えらえるシーンとしては、
- 帰省の際の高速道路の渋滞で到着が遅くなったが、疲れたので熱いお風呂に入りたい。
- お墓の掃除で汗をかいたので日中に熱いシャワーでサッパリ……そして、夜もゆったり入浴。
- 花火大会が終わった後の深夜の帰宅。とりあえず暖かいシャワーで汗だけでも流したい。
といった様々な利用が考えられますが、このようなでも、欲しいとき、欲しいだけお湯を作ることがでるのが、LPガスの強みです。
非常用に貯湯タンクのお湯を利用するという考え方は、”もしも”のときには大切ですが、”毎日”を考えれば、お湯を作る性能に注目するほうが正解です。
まとめ
ここまで、真夏の暑い時期限定のお話しではありましたが、
- オール電化住宅のメリットは、デメリットになりえるということ。
- オール電化住宅のデメリットは、LPガスを併用することで解消できる。
といったことについて、お話してきました。
では、春や秋、冬ではどうでしょうか? 考え方に違いはありません。LPガスを併用(ウィズガス住宅)することで、同様のメリットを得ることができます。
電気には電気の得意があり、LPガスにはLPガスの得意があります。生活の様々なシーン、ライフステージや家族構成の変化などに、ストレスなく対応しようと思えば、ウィズガスが最適解です。