【現役ガス会社社員だからわかる】ガス会社を切り替える8つのステップ
- ガス会社を切り替えるには、どんな手順でやっていくの?
- 変なガス会社にだまされたりしない?
- 難しい契約のことがよく分からなくって……。
LPガスの業者を切り替えるというのは、実際にやったことがないでしょうから、いざ実行するともなれば、上記のようにいろいろ悩みが出てきて二の足を踏む方も多いと思います。
私は15年に渡ってLPガス会社のコールセンターに勤務しており、お客様のお困りごとをお電話口で解決してきました。
実のところ、LPガス業界では、供給ガス会社の切り替えは日常茶飯事です。しかし、意味もわからないままに切り替え先のガス会社のいいなりに手続きを進めてしまっては、不利な契約内容・条件で丸め込まれてしまうかもしれません。
今回の記事では、主に戸建の持ち家のお住まいの方へ向けて、LPガスの会社を切り替えるための一般的な手続きを、現役ガス会社社員の視点から気をつけるべき点を織り交ぜつつ解説したいと思います。
ガス会社を切り替える8ステップ
【ステップ1】現状把握
まずは、現在契約しているガス会社から送られてくる請求書や利用明細などを数カ月分用意します。そして、各月の
- 使用量(立方メートル)
- 基本料金
- 請求額
などを確認してください。1か月分でも構わないのですが、季節によってガスの使用量は大幅に違ってきます。なるべく秋冬は把握したほうが、ガス会社を切り替えることで得られるメリットが、より明確になると思います。
請求書などが手元にない場合は、現在契約しているガス会社に1年分の明細を作ってほしいと依頼しましょう。理由を聞かれたら、事業の税申告に使うとお願いすれば作ってくれると思います。
新しいガス会社から受ける提案が本当に有利なのか検証するためにも、まずは現状把握からはじめます。
【ステップ2】現在契約しているガス会社との契約書を用意
ガ現在契約しているガス会社からもらった契約書を手元に用意します。そして、
- 契約した日
- 解約時の手続き
- 貸与設備の内容
- 違約金
などを確認してください。契約書がない場合は、現在契約しているガス会社に依頼して控えを再発行してもらいましょう。
契約書に記載されている内容は、主に解約時にかかる費用などを確認するために必要です。解約にかかる費用を、新しいガス会社が引き受けてくれる可能性がありますが、それも内容次第なので、まずは確実に把握するようにしましょう。
【ステップ3】新しいガス会社と打ち合わせ
新しいガス会社と契約内容・条件について打ち合わせをします。ステップ1、2で用意した書類を新しいガス会社に見てもらえば、それに応じた有利な契約内容・条件を提示してくれるでしょう。疑問がある場合はこのときにしっかり質問するようにしましょう。
【ステップ4】新しいガス会社へ申し込み
契約内容・条件に納得できたら新しいガス会社へ申し込みを行います。
このとき、切り替え工事の日程も決定することになりますが、どこのガス会社も工事開始までに、最短で7~10日程度かかるのではないかと思われます。すぐに取りかかれるものではないので、ある程度余裕のあるスケジュール作りが大切です。
【ステップ5】現在契約しているガス会社へ解約を知らせる
下記のいずれかの形で、現在契約しているガス会社へ解約を通知します。
- あなたが、現在契約しているガス会社に直接解約を申し込む。
- 新しいガス会社から、現在契約しているガス会社にガス契約解除を申し込む(新しいガス会社が、あなたから委任されて行う形で、この方法で申し込むことが多いと思います)。
このときに、現在契約しているガス会社から引き止めされることでしょう。より有利な条件を引き出せる可能性もあります。
【ステップ6】切り替え工事
切り替え工事とはいっても、実際には工事らしい工事は発生しないことがほとんどです。というのも、配管などの供給設備などは、新しいガス会社が旧ガス会社から買い受けて、そのまま流用することが多いからです。もちろん、このタイミングで新しい機器を取り付けるなどする場合は、それに応じた工事が必要になってきます。
旧ガス会社も、このときにガスのボンベを回収しに来ます。
【ステップ7】現在契約のガス会社へ最終の支払い
旧ガス会社へ、ガス代や撤去費用、貸与設備(新しいガス会社が負担してくれるケースもあります)の精算を済ませます。その場で現金精算する場合はあまり問題になりませんが、後日銀行引き落としやクレカなどで精算する場合は、タイミングによってはトラブルになることがありますので、支払期日などはしっかり打ち合わせして確認しておきましょう。
【ステップ8】新しいガス会社から供給開始
供給開始時点の検査が終われば、新しいガス会社からのガスの供給が開始されます。
まとめ
今回の記事では、ガス会社を切り替える手順を解説しました。
- 現状把握
- 現在契約しているガス会社との契約書を用意
- 新しいガス会社と打ち合わせ
- 新しいガス会社へ申し込み
- 現在契約しているガス会社へ解約を知らせる
- 切り替え工事
- 現在契約のガス会社へ最終の支払い
- 新しいガス会社から供給開始
LPガスの価格は各ガス会社が自由に設定できるので、それぞれのガス会社がそれぞれの価格で提供しています。
日常的に使うLPガスなので、高いよりは安い方が当然よいですから、今の価格に不満があるなら、このような流れにそって、他のガス会社に切り替えればよいのです。ただ、賃貸や集合住宅の場合はこの限りではありませんので注意が必要です。
各ガス会社の提供条件などは、ウェブで見積・料金比較サービスが試せるので、そいうったサービスの利用も検討してみるとよいでしょう。思いのほか、高い契ガス代を支払っているかもしれませんよ?