【ガス会社社員厳選!】すぐできるガス代節約術22選+α!ポイントも解説
気温がグッと冷え込む秋から冬にかけて、皆さんを悩ませるのが高くなっていくガス代。
ガス代が高くなっていく原因は、基本的には気温・水温の冷え込みにより、使用するガスの量が増えることが第一ですが、最近では、円安などの影響によるLPガスの輸入価格の上昇も手伝って、さらにガス代は高くなっています。
そんな状況を少しでも緩和しようと、2023年の夏には各都道府県において『LPガス料金高騰対策支援事業』と銘打った支援事業が始まっていますが、焼け石に水感は否めないところです。
このように、消費者には打ち手なしとも思える外的要因によって高くなっていくガス代ですが、ご自身の努力・日々の積み重ねで節約することは、もちろん可能です。
私は15年に渡ってLPガス会社に勤めており、現在はコールセンター担当者として、お客様のお困りごとをお電話口で解決していますが、今回の記事では、
- 毎月のガス代が高くて困っている。
- ガスを節約したいが方法が分からない。
- もっと安くガスを使いたい。
そんな方に向けて、今日から取り組める節約術を、4つの利用シーン(キッチン、お風呂、リビング、その他)に分けて共有したいと思います。
最後までお付き合いください。
(参考:資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2022年版)
キッチンでのガス代の節約術9選
1.電子レンジを活用して野菜の下ごしらえする
ガスを使って野菜の下ごしらえをするのは、あまり効率のいい調理法とはいえません。
- ニンジンやジャガイモ、サツマイモなどの根菜類の調理は、ガスコンロだと時間がかかる。
- ブロッコリーや葉野菜などの調理では、ゆで汁に大切なビタミンなどの栄養素が流れ出てしまうのが心配。
こんな具合に、デメリットが大きくなってしまいがちです。
野菜の下ごしらえは、電子レンジを使った時短調理がピッタリです。電子レンジだと短時間で火を通すことができるうえ、ゆで水を使わないのでビタミンやミネラルなどの栄養素を損なわずに調理できます。
以下、電子レンジで野菜を下ごしらえする際のコツです。
- 火の通りを均一にするため、切るときに大きさを揃えましょう。
- 野菜についている水気は拭き取らずに(何なら少し濡らして)調理しましょう。
- 加熱の途中でかき混ぜると、火の通りが均一になりやすいです。
- アクの抜き方は注意が必要です。ホウレンソウのよう葉野菜は、加熱した後に水にさらしてアクを抜きます。ナスなどは、いったん水にさらしてアクを抜いてからレンチンします。
2.火力は強火ではなく中火にする
大きな強火の炎で調理したほうが、いかにも手早くできそうですが、実は熱効率があまりよくありません。コンロの炎が鍋底からはみ出さないように、中火で調理することで、無駄なガスの消費をおさえられます。
3.圧力鍋など時短調理器具を活用する
圧力鍋を活用すると、通常のお鍋に比べてグッと調理時間を短くできます。加熱時間が短ければ、使用するガスもまた少なくなります。
4.水かぬるいお湯で食器を洗う
食器洗いをするときは、お湯の設定温度は低めにして無駄なガス消費を減らしましょう。
もちろん、お水を使ったほうが節約効果は高いですが、寒い冬の日にはつらすぎますよね。無理をしないのも節約を継続するためのポイントです。
食器洗いで必要なガス代を試算してみました。
1年間のうち、6、7、8月の3カ月間を除いた273日間に渡って、1日2回の食器洗いを、65リットルの水道水(水温20℃)を使い、湯沸し器の設定温度を2℃下げて食器洗いをした場合の試算すると、LPガスでは4.22立方メートル使用することになります。LPガス1立方メートルあたりの単価を仮に650円とすると、年間2,746円程度の節約効果が見込めるということになります。
5.余熱を使って料理する
料理にもよりますが、コンロで加熱した後の余熱を利用して調理すれば、ガスの消費をおさえることができます。
私はよくダイエット食として、鶏むね肉のステーキを焼くことがあります。大きなお肉の塊を調理するときなどは、ガス火でしっかり焼き上げるよりも、余熱を利用してじっくり熱を通した方が、しっとりと柔らかく仕上がります。
ハンバーグであれば、フライパンで焦げ目をつけて、中まで火を通すのは電子レンジを利用するのも、おなじみの調理法ですね。
6.お鍋の底の水滴は火にかける前に拭いておく
お鍋の底が濡れたままだと、その水分の蒸発に余分なエネルギーが使われてしまいます。余分なエネルギーを消費する原因になるので、お鍋の底の水滴は火にかける前に拭いておくようにしましょう。
7.料理は多めに作って冷蔵・冷凍保存する
料理は1度にたくさん作っておくとガス代の節約につながります。さらに1食分ずつ小分けにして、冷蔵・冷凍保存しておくと長期保存でき、日々の食事の用意の時短にもつながります。
8.コンロのバーナーはこまめに掃除する
バーナーが目詰まりしてしまうと、燃焼効率が悪くなってしまいます。
調理中に吹きこぼしてしまったときなどは、コンロの取扱説明書に従ってバーナーの掃除をしましょう。
また、吹きこぼした後や掃除した後など、バーナーが濡れたままの状態だと、なかなか着火しないことがあります。しっかり乾かしてからセットしてください。
あ、なかなかバーナーが乾かないからといって、ドライヤーを使って乾かすとメチャメチャ熱くなってしまいますから注意してくださいね!
9.ストーブを使って調理する
もしストーブがあるなら、カレーやシチューなどの煮込みや、おでんなどは、ストーブに置きっ放しにして調理してしまいましょう。
冬の乾燥したお部屋に適度な湿度も加えてくれるので一石二鳥です。
お風呂でのガス代の節約術8選
1.給湯温度の設定は低めにする
お風呂のお湯を1℃低く設定するだけで、LPガスで試算すると年間2,500円程度の省エネにつながる可能性があります。給湯温度は低めに設定して、ガスの使用量をおさえましょう。
2.浴槽の湯量を少なめにする
浴槽のお湯の量は、少なければ少ないだけ省エネ・節水につながります。できるだけ少なめにしましょう。
3.お風呂に入っていないときはリモコンのスイッチをオフにしておく
自動で追い焚きができる機能がついているガス給湯器では、「ふろ自動」などのスイッチがONの状態だと、お風呂の温度が下がると自動で追い焚きしてくれます。非常に便利な反面、誰もお風呂に入っていなくても勝手に追い焚きしてしまうので、ガスを浪費してしまう原因にもなってしまいます。
時間が経てばタイマーで勝手にOFFになりますが、使わないようならスイッチ(○)は手動でOFFにしましょう(待機電力が気にならなければ、運転ボタンはつけっぱなしでも構いません)。
4.シャワーは短時間で済ませる
シャワーで使われるお湯の量は意外と多く、シャワーを1分間使用すると約9~12リットルのお湯が出ています。シャワーで節水するポイントとしては、
- 髪や身体を洗っている間は、シャワーを止めておく。
- 髪と身体を洗って、最後にシャワーで一緒に流す。
といった工夫が効果的です。
また、お風呂場の掃除にお湯をたくさん使っていませんか? お風呂場の掃除には、浴槽の残り湯を使ってから最後にシャワーで洗い流すことで、お風呂場の掃除でのガス消費をおさえることができます。
ご参考までに、シャワーを使う場合と、浴槽にお湯をはる場合とでは、どちらが省エネ・節水につながるかということについても触れておきます。
仮に1回のシャワーが10分とすると、1回のシャワーで100リットル程度のお湯を使う計算になります。1日に2人の家族でシャワーを使えば、1日あたり200リットル程度のお湯を使うことになります。
浴槽にお湯をはると、200リットル程度のお湯が必要になるので、上記のような使用状況において家族2人以上で入浴する場合には、浴槽にお湯をはることでガスの消費量は、トントン、あるいは低くできる可能性があります。
5.節水シャワーヘッドに交換する
最近は省エネ・節水になるということもあり、節水シャワーヘッドが人気です。少ない水量でも気持ちよくシャワーを浴びることができる優れものですが、節水シャワーヘッドを使用するとお湯が出ないというトラブルがまれに聞かれます。
ガス給湯器は、機器内のパイプを水が流れていくことにより、お湯を沸かすためのスイッチが入るようになっていますが、節水シャワーヘッドを使用していると、ガス給湯器内のパイプを流れる水量が少なくなってしまうため、ガス給湯器にスイッチが入らないからです。
これは、どのおうちでも当てはまるわけではなく、
- (節水シャワーヘッドをつける/つけないに関わらず)そもそも水圧が弱い。
- ガス給湯器と節水シャワーヘッドの相性のよくない。
といったことが原因だと考えられますが故障ではありません。故障ではないので、修理などで解決できないのが難しいところです。
- お湯が出ない時はシャワーの水量を最大にして使ってみる(お湯が出るかもしれない)。
- 節水シャワーヘッドを元のシャワーヘッドに戻す。
といったことをお試しいただければと思います。節水シャワーヘッドをお買い求めの際は、お気を付けください。
6.浴槽はこまめにフタをする
一人暮らしならともかくですが、複数人でお風呂を利用する場合なら鉄則ですね。お風呂にフタをしておくだけで、お風呂の温度が下がりにくくなります。特に冬場は浴室内の温度が下がりやすいので、効果が実感しやすいと思います。
7.入浴の間隔をなるべくあけない
家族の生活のリズムがバラバラだと、これがなかなか難しいですが、入浴は間隔をあけないようにすると、保温や追い焚きに無駄なガスを使用せずにすみます。
8.追い焚き機能の使用回数を減らす
浴槽のお湯は2時間放置することで4.5℃も温度が下がるそうです。これを毎日追い焚きして温めなおしたとして、年間無駄に消費してしまうガスの量は、以下のとおりとなります。
- 都市ガスでは37.32立方メートル
- LPガスでは17.10立方メートル
LPガスでは、1立方メートルあたりの単価を仮に650円とすると、年間11,121円程度の節約効果が見込めるということになります。
9.運動に興味があるなら、スポーツジムに通うのもオススメ
運動に興味があるなら、スポーツジムに通うのもオススメです。
スポーツジムは健康づくりのために通う施設という印象ですが、お風呂やシャワーの入浴設備も整っているところが多くあります。会員になれば普通は無料で使えるので、運動した後に入るのはもちろん、運動せずにお風呂だけ入りに行くという使い方もできます。
私は妻と二人暮らしですが、二人とも週3日はスポーツジムに通い、そのついでにお風呂に入って帰るようにしています。つまり、週3回は家のお風呂を使わないので、ざっくり1カ月のガス代を1/3近く削減できます。
もっとも、スポーツジムの会費がかかるので、トータルの出費は安くはならないと思います。しかし、ガス代として使っていたお金を健康づくりに回せるとしたら、なかなかよいお金の使い方だと思いませんか?
リビングでのガス代の節約術4選
1.寒いと感じたら厚着する
部屋の中で上着を着ていてもおかしいことはありません。寒いと感じたら厚着が有効です。
毎年、ユニクロなどでダウンジャケットやベストを買い替えるという人は多いと思います。古くなった上着を捨ててしまわずに、部屋着として使ってもよいでしょう。
特に靴下は防寒効果が高いように思います。おうちの中ぐらいは素足でリラックスしていたいところですが、節約のためにここはガマンです。
2.設定温度は低めにする
1日に9時間程度ファンヒーターを使う場合で、温度設定を1℃低くすると、LPガスでは年間3,000円近いガス代を節約することができます。
3.ファンヒーターのフィルターはこまめに掃除
ファンヒーターの背面に取り付けてあるフィルターは、細かいホコリやゴミがファンヒーター内に入り込むのを防ぐ重要な部品ですが、数カ月も使っているとホコリがへばりついてしまいます。
ファンヒーターの性能を十分に発揮させるためには、フィルターをこまめに掃除しましょう。掃除機でほこりを吸い取ったり、お湯で洗ってから、しっかり乾燥させてからファンヒーターに取り付けてください。
4.サーキュレーターを活用
夏に使うイメージがあるサーキュレーター(扇風機)ですが、冬場も大活躍します。
暖かい空気は天井に滞留してしまうので、その空気を循環させるためにサーキュレーターを利用します。サーキュレーターを天井に向けて送風することでお部屋全体が暖かくする効果が高まります。
その他のガス代の節約術
ガス代をクレジットカードで支払う
クレジットカードは、多少の差はあれ、どのカードでも利用金額に応じたポイントが付与されます。
多くのガス会社は、ガス代の支払いをクレジットカード払いにできる(ハズ)なので、可能であればカード払いに切り替えてしまいましょう。ちなみにクレジットカードの還元率の平均は0.5%、高いもので1.25%程度です。
まとめ
今回の記事では、
- キッチンでのガス代の節約術9選
- お風呂でのガス代の節約術9選
- リビングでのガス代の節約術4選
- その他のガス代の節約術
の、4つの利用シーンに分けて節約術を皆さんに共有しました。
ガスの使用量削減という意味で、この中でオススメは、お風呂の節約術になります。削減効果がもっとも高くなるからです。次いで、キッチン→リビングの順になります。
たくさんの節約術があるので、どれから取り組んだらよいのか悩む場合には、ぜひお風呂の節約術から試してみてください。特に水が冷たくなる冬場において、グッと効果を実感できるはずです。
【最後の切り札】ガス会社を切り替える
さて、これまでご紹介した節約術以外に、最後の切り札としてオススメなのが、ガス会社の切り替えです。
ガス会社を切り替えるのは、最も効果的なガス代の節約術だといえます。この記事でも、数カ所、実際のガス代として削減効果をお見せしましたが、すべて1立方メートルあたりのガス単価を650円として計算しています。
ガス代は通常、以下のように計算されています。
(ガス代)=(基本料金)+(ガス単価)×(ガス使用量)
もしガス単価が650円ではなく、600円だったらどうでしょう? 550円だったらどうでしょう? グンとガス代が安くなりますよね?
ガス会社を切り替えるということは、そういうことです。
ご家庭でお支払いになっているガス料金が気になったら、下記から、お住まいの地域のLPガス料金を比較してみましょう。思いのほか、高いガス代を払っているかもしれませんよ?