【対策指南】要注意!ガス会社切り替え時によくあるトラブル4選
あなたは日本に何社のLPガス会社があると思いますか? その数、実に16,000社以上。
ご存知のとおり、戸建ての所有物件においては、LPガス会社を自由に選ぶことができます。しかし、製品としてのLPガスは同じでも、サービスの質や料金はガス会社ごとにまちまちなので、ご自身のニーズにあったLPガス会社に巡り合うのは困難を極めます。
さらに難しいのが、ガス会社の切り替えにあたっては、携帯電話や光回線のように厳格に法整備がされていないせいか、ときにトラブルが発生してしまうことがあるということです。
この記事では、
- これからガス会社の変更を検討しようとしている。
- ガス会社を変更する際に、どういったトラブルが発生しうるのか予習しておきたい 。
そんな方に向けて、ガス会社を変更するときによくあるトラブル4選と題して、実際にガス会社に勤務している私が見聞きする範囲で、
- LPガス会社の切り替えする際に発生しうる問題とその対策
- スムーズな切り替えのためのトラブル予防に役立つ情報
といったことを共有したいと思います。
対策について結論を申し上げるとしたら、切り替えはプロに任せるのが、手間がかからず安全で、一番速い方法と言えます。
よくあるトラブル4選
違約金のトラブル
内容
LPガス会社を切り替える際に、切り替え元のガス会社から、契約開始時に説明されていない違約金や撤去費用などを請求されることがあります。
- 契約期間の満了を待たずに解約したとの理由で請求される違約金
- ガスメーターやガスボンベなどのガス設備の撤去費用
- 無償貸与された給湯器や配管などの残価
違約金や撤去費用では10,000円~30,000円程度、無償貸与の残価では、利用期間の長さに応じて償却できていない金額を請求されることが多いようです。
対策
まず、契約書に記載がない費用請求については支払う必要はありません。しかし、契約書にきちんと記載されていて、さらにご自身でも捺印(サイン)されている場合は、正直なところ支払いを免れないでしょう。
ただ、直接ご自身で支払わなくても、新しいガス会社が吸収してくれることが多いです。まずは、切り替え先のガス会社に相談してみることをオススメします。
引き止め
内容
ガス会社を切り替える際には、電話や書面などで、切り替え元のガス会社に対して切り替えることを伝え、手続きを進めます。
切り替え元のガス会社も切り替えられたくはないでしょうから、引き止めのため動いてきます。
引き止めのために出してくる提案としては、
- 値下げ
- 新しいガス器具の無償貸与など
といったことが考えられます。
引き止め自体、悪いことだとは私は思いませんが、あまりにしつこく食い下ってくるようだと、正直迷惑といわざるをえません。
対策
今回、切り替えを検討している理由をもう一度考えましょう。切り替え元のガス会社からの提案によって、あなたの不満が解消されるかどうかがポイントです。です。
ただ、値下げ提案に関しては、少し慎重になったほうがよいですね。次のセクションでお話ししますが、値下げ提案で誘惑し、後日急に値上げをするというのは、悪質なガス会社の常套手段です。
実際、切り替え元のガス会社に引き止められた場合に断りきれないということもあり、手続きをプロに一任して進めるお客様がほとんどです。
急で悪質な値上げ
内容
これは、切り替え検討時に発生するトラブルというよりは、切り替え元のガス会社に引き止められてしまい、継続契約した後に起こるトラブルです。
「安くするので、引き続きお付き合いお願いします。」
その言葉を信じて継続契約させておきながら、あるとき突然値上げの通知が入り、ガス代を値上げされてしまう……という流れです。
LPガスは国際情勢の影響を受けて、価格は変動(最近の LPG 価格の動向について/石油情報センター)しています。こういった影響から、ガス会社もやむにやまれず値上げに踏み切る場合があります。しかし、悪質なガス会社では、そういった価格変動とは関係なく、
- 顧客の獲得を目的とした値下げ
- 顧客の引き止めを目的とした値下げ
をしておきながら、ガス会社の切り替えの恐れがなくなったと見るや、値上げを行ってくるわけです。
対策
まず、ガス会社からの郵送物やメール通知は、日ごろから目を通すようにしてください。知らない間に値上げされていた……という話しをよく聞きますが、値上げがある場合には、前もって通知されている場合がほとんどです。
値上げ情報を素早くキャッチして、高いガス代を払ってしまう前に、別のガス会社に切り替えてしまいましょう。
悪質なガス会社は、引き止めのためまた格安の料金を提示してくると思いますが、またその誘惑に負けてしまうと、堂々巡りになってしましいます。プロに頼んでガス会社を切り替えてしまうほうが、精神衛生上よいかと思います。
ブローカーによる勧誘
内容
ブローカーとは、主にガス会社の委託を受けた営業専門会社が送り込んでくる営業専門の社員(またはフリーランス)であり、LPガス会社の正式な社員ではありません。
ブローカーは、主に飛び込み営業で各家庭を訪問し、ガスの切り替えの提案を行います。ガス会社変更の同意を取り付けるまでがブローカーの仕事であり、その後の契約などはガス会社の社員が引き継いで行います。
多くの場合、こういったブローカーはガス会社の依頼を受けて営業活動を行いますが、ブローカーを利用するガス会社はその地域に新規参入してきたばかりであることが多く、契約数を一気に増やそうという考えています。
ブローカーは、切り替えできた件数に応じて成功報酬を得るという仕組みなので、何が何でも契約を取ることを第一に考えており、その営業手法は、
- 所属をいつわって(公的機関の名称をかたる「○○県庁のほうから参りました」、「消費者センターのほうの調査で参りました」など)、消費者を安心させて、つけいる。
- 契約後の値上げを前提とした「売り込み単価」という、通常の単価よりもはるかに安い価格をエサにしてつけいる。
といった、正直適切とはいいがたい方法で展開されることが多いのが特徴です。
とにかく、
- 安さ
- 現状との価格差
などの、”値段” に焦点を絞ってしつこく訴求をしてきます。うかうかブローカーを通じて契約してしまうと、のちのち、ほぼ確実に法外な値上げをされて驚くことになりますので、注意が必要です。
対策
ガス会社も顧客を増やすため営業活動を行っていますので、どうせ切り替えの営業を受けるなら、直接ガス会社の社員からお話しを聞くようにしましょう。
ガス会社の社員とブローカーを区別する方法がいくつかあります。
ガス会社の社員は、
- 社員証などの身分証
- ガス会社の名刺、制服など
- 液化石油ガス設備士や高圧ガス販売主任者などの国家資格の免状
といったものを所持していますので、提示を求めてみてください。
また、ガス会社は地域のお客様に愛されてナンボの商売です。しつこくしたり、安さだけをアピールすることがお客様にとってプラスであるというような考えではお客様の安全・安心につながりません。ガス会社の社員は客様のニーズを掘り下げるため、お客様の家族構成やご利用状況など、様々確認しながら営業を展開しようとします。多くのガス会社の営業は、お客様のお役に立ちたいと考えているのです。
お客様のニーズや背景を知ろうとせず、安さだけをアピールするような営業を展開する人物には要注意です。
ガス会社を選ぶ際に気を付けたいことを、こちらにまとめていますので、ぜひご覧ください。
まとめ
この記事では、LPガス会社を変更しようとする際に発生する可能性のあるトラブルと、その対策についてお話ししてきました。
- 違約金のトラブルでは、 契約解除時に不当な違約金や撤去費用が請求される可能性についてお話ししました。契約書に明記されていない費用については支払う必要はありません。新しいガス会社に相談して、支払いを回避する方法を検討しましょう。
- 引き止めでは、 切り替え元のガス会社は、顧客を引き止めようとして、値下げや新しい機器の提供などの提案を行う可能性についてお話ししました。切り替えを検討する理由をよく考えて、提案が問題解決につながるかどうか検討してみましょう。
- 急で悪質な値上げでは、相場より安い価格で、新規顧客を獲得したり、解約防止をしたのち、相場以上の価格に値上げしていくという悪質なガス会社の手口についてお話ししました。通知をよく確認し、値上げを避けるために切り替えを検討しましょう。
- ブローカーによる勧誘では、 ブローカーは、安さばかりアピールし、契約を取り付けを目的とする営業専門の人物であり、ガス会社の社員でさえありません。あまりに安価な提案に注意しましょう。
こういったトラブルを避けるためにも、LPガス会社の切り替えはプロに任せることがもっともスムーズで安全な方法です。加えて、ご自身でも情報と知識を持ち、慎重な判断を行うことができれば、よりお得にLPガスを利用することができるはずです。
2023年現在、日本には16,000社ものLPガス会社があるといわれています。先に述べたトラブルが発生する可能性のほかにも、多くのLPガス会社がホームページで料金を公開していないという事情もあり、ご自身のニーズに合ったガス会社を、独力で見つけ出すの難しい状況です。
もしも、ガス会社選定でお悩みであれば、LPガス料金比較サービスを利用するのも、ひとつの手です。
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