ガス給湯器からお湯が出ない?!そんな時の対処方法を教えます!
「お風呂に入りたいのに、お湯が出ない!」
「シャワーを浴びてたら、突然水になった!」
こんなお湯のトラブルの経験はないでしょうか? 入浴しようとしているときや、その最中に突然お湯が水になってしまう……夏ならまだしも、冬場にこんなトラブルがあっては、安心してお風呂に入れません。しかし、こういったトラブルは寒くなってから起きることが多いんです。
ここでは、そういったお湯のトラブルが、
- なぜ起こるのか?
- どうしたら解決できるのか?
といったことについて、15年間に渡ってガス会社に勤務してきた経験やコールセンターに寄せられる事例をもとに、お話したいと思います。
意外とご自身で対応できることが多いのでびっくりされるかも知れません。ぜひ、困ったときに試してみてください。
お湯が使えなくなる、その原因と解決方法は?
お湯が使えなくなる原因は、
- ガスが止まっている。
- 適切な量の湯量を出していない。
- ガス給湯器が故障している。
という3つが主な原因です。お問い合わせの多い順に並べると、「ガスが止まっている」、次いで「ガス給湯器の故障、」、そしてレアなケースではありますが盲点ともいえる「適切な量の湯量を出していない」というようになってきます。
それではそれぞれ見ていきましょう。
ガスが止まっている
- お湯も使えない。
- ガスコンロも使えない。
……こんな時はガスそのものが止まっている可能性があります!
お湯が使えない!と、お客様からお問い合わせいただく中で、一番多い原因はガスが止まっているというもの。だいたい、秋から冬など、急に水温が下がる時期によくあります。
この原因の多くは、おうちについているガスメーター。ガスメーターは、過去数カ月分のガスの利用状況を記憶しています。そしてガスの消費量が急に増えたときにガスを遮断するという、ガスによる事故を防ぐための安全・安心機能が備わっています。
暖かい春から夏にかけてのガスの使用量が少ない時期に比べて、秋から冬の水温が下がる時期は、グッとガスの使用量が増えます。この季節の変わり目ともいえる冷え込んだ日の、
- お風呂にお湯をはっている最中
- シャワーを浴びている最中
このようなタイミングで突然この機能が発動し、ガスを遮断してしまうことがあるのです。
こんなときは落ち着いて、ご自宅のガスメーターの確認・操作を行ってください。
ガスメーターの設置場所は様々ですが、家の裏やマンションやアパートならメーターボックス内などに設置されています。この写真は我が家のガスメーター。家の裏のガスボンベの近くに設置されています。
①すべてのガス器具がオフになっていることを確認
②ガスメーターの表示を確認
確認していただきたいのは、ガスメーターのこの液晶部分です。ちなみに写真の状態(○が3つ表示されていて、その中は空白)はガスメーターが正常に動いている状態です。
これが、ガスの使用量が急に増加した場合やガスが異常に流れた場合の表示になります。
ガスを長時間にわたって使用した場合やガス器具を消し忘れた場合の表示は以下のようになります。
③復帰ボタンをしっかり押し込む
④1~2分程度、ガス器具を使わずに待つ
復帰ボタンを押すと、画面がチカチカと点滅を始めます。このとき以下の点に気を付けてください。
- 画面が点滅している間は、ガス器具を使用しない。
- 何度も復帰ボタンを押さない。
- 復帰ボタンを押し続けない。
⑤ガスメーターの表示が正常に戻っているのを確認して、ガス器具の利用を再開
これ以外にも、ガス代を滞納されている場合にもガスが止まっちゃうことがあります……この場合には、上記の操作では使えるようになりませんから、キチンとお支払いを完了させてガス会社に連絡しましょう。
適切な湯量を出していない
台所でも洗面台でもお湯が出る。お風呂の湯はりもできるのに、お風呂のシャワーだけお湯が出ないというときは、これが原因かもしれません。
最近はエコで水道代の節約になるということもあり、節水シャワーヘッドが人気です。少ない水量でも気持ちよくシャワーを浴びることができる優れものですが、節水シャワーヘッドを使用するとお湯が出ない原因になる場合があります。
ガス給湯器は機器内のパイプを水が流れていくことにより、お湯を沸かすためのスイッチが入るようになっています。節水シャワーヘッドを使用すると、ガス給湯器内のパイプを流れる水量が少なくなってしまうため、ガス給湯器にスイッチが入らず、水しか出ないことがあります。
これは、どのおうちでも当てはまるわけではなく、
- (節水シャワーヘッドをつける/つけないに関わらず)そもそも水圧が弱い。
- ガス給湯器と節水シャワーヘッドの相性のよくない。
といったことが原因だと考えられますが故障ではありません。
- お湯が出ない時はシャワーの水量を最大にして使ってみる。
- 節水シャワーヘッドを元のシャワーヘッドに戻す。
といったことをお試しいただければと思います。節水シャワーヘッドをお買い求めの際は、こういったトラブルが起こり得ることをあらかじめ理解して購入するようにしましょう。
ガス給湯器が故障している
これまでご案内した原因以外で、
- お湯が出なくなった。
- 熱くなったり冷たくなったり、お湯の温度が安定しない。
- ガス給湯器のリモコンにエラー表示が出ている。
以上のような症状が出るときは、ガス会社に対応をお願いするのが一番です。エラーコードが確認できる機種であればエラーコードも一緒にガス会社へ報告すると、より解決が早くなります。
ただし、ガス会社に対応をお願いしても、すぐに来てくれるとは限りません。コロナ禍の真っただ中では、半導体不足や生産工場の操業状況の関係から、新品のガス給湯器が何カ月も手に入らないという事態が発生したこともあります。修理や交換作業にさらに日程が必要になってくることもあります。
これからお風呂に入るのに……なんていうときに、これでは困りますよね?
そんなときにお試しいただきたいのが、ガス給湯器の電源を抜き差しです。
ガス給湯器のリセット方法
以下の写真のように、ガス給湯器の近くに電源コンセントがあり、そこに差し込んである電源プラグを反時計回り(左回し)にねじって抜きます。その後、数十秒~1分ほど待って、差し込みなおします。差し込む際には、時計回しに回してください。
経験・体感的なお話にはなりますが、これで5割程度のガス給湯器のトラブルは解決するように思います。
リセット操作が必要になる原因は、あまりよくわからないのですが
- 長期に渡ってガス給湯器を使用していない。
- 停電があった。
- 落雷があった。
こんなときは、リセット操作が必要になることが多いように思います。
もし、ガス給湯器の設置場所が分からなかったり、電源を抜ける構造になっていない(ガス給湯器が高所に設置されていることもあります)場合には、電源ブレーカーをON/OFFすることで電源抜き差しと同様の操作を行うことが可能なので、お試しください。
まとめ
ここまで、ガス給湯器が使えなくなってしまう3つの主な原因と、それぞれの解決方法についてお話してきました。
いずれも、ガス会社でお客様からのお電話に対応をしていると、よくお問い合わせいただく内容ばかりです。しかし、ご自身でも対応できることが多くてびっくりされたかも知れません。ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
ここにご紹介した対策を行っても症状が改善しないときは、ガス会社に対応を依頼することになります。そういった場合はガス給湯器の交換や修理が必要ということになると思いますが、
- ガス会社が迅速に対応してくれない(できない)。
- ガス給湯器の在庫がない。
- 在庫があっても、作業員の順番待ちで修理や交換作業にさらに日程が必要になる。
というようなことも、最近はよく聞きます。
しっかりとガス器具の在庫を確保しているガス会社とお付き合いできている場合はよいのですが、そうでない場合には、ガス会社以外の業者さんにも対応をお願いできることを知っていると、より早く解決することができるでしょう。
また、ガス給湯器の寿命は10年程度です。もし、ご利用中のガス給湯器が10年程度経過していて、これまでお話してきたようなトラブルを抱えている場合は、そろそろ交換時期が近づいている証拠かもしれません。
ガス給湯器は長年使うものです。長期間に渡ってお付き合いできる、信頼のおける業者さん・ガス会社さんに設置してもらうことが何より重要です。
納得の選択をするため、様々な業者さんを比較検討することをオススメします。